フェミニスト・カウンセリング feminist counseling
伝統的な男性中心の、男性によるカウンセリングや心理療法に代わるものとして、第2波フェミニズムとともに1970年代のアメリカで始まったフェミニズムの視点にたったカウンセリング、セラピーをいいます。
それまでの心理学や精神医学の分野では、女性の心の問題が充分に理解されてはいませんでした。社会の固定的な女性観と一致しない女性たちの行動を異常とみなし、女性役割への適応を促すことが多かったのです。
フェミニスト・カウンセリングは、主に女性を対象に女性の専門家が行うもので、女性が抱える心理的な問題の背景には、女性役割、女らしさを要求する社会、性的虐待や暴力、結婚生活における夫の優位など社会的問題があるという認識を基盤としています。その目的は、相談者を社会の規範に適応させようとするのではなく、相談者が自発的に妻や母親・嫁などの役割意識から解放され、自信を取り戻し尊重しながら生きることにあります。したがって、カウンセリングはカウンセラーと相談者との対等な関係を前提にして、女性としての体験から生まれる共感を大切にしながら行われます。
なお、カウンセリングとセラピーは互換的に用いられることが多いのですが、カウンセリングは心の問題や生き方全般を扱うのに対し、セラピーは精神科医や臨床心理士などか行う治療を指すとして区別することもあります。
