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家父長制 Patriarchy

男性による女性の支配形態、性別の権力関係を指し、フェミニズムの中心概念です。男性中心社会・男性優位社会を維持するために不可欠な権力形態、と言い換えることができます。

1970年代にラディカル・フェミニズムが、家族や性などの私的領域を含めた社会全体の女性に対する男性による支配システムとして、家父長制を再定義しました。とりわけ、男性による女性の再生産領域(性・生殖)の支配の構造を、「家父長制」として分析しました。

また、マルクス主義フェミニズムは、それまで労働としてみなされてこなかった家事労働を労働概念として発見し、資本制システムと家父長制との結合を明らかにしました。

しかし、日本における家父長制概念は、この欧米のフェミニズムとは異なり、明治民法に象徴される“前近代性”封建的な家族制度として使われました。

明治民法の家制度は、人はすべて家に属し、家の統率者である戸主に従わなくてはならず、戸主は戸主権を持ち、家族の居所を指定する権利、家族に対して婚姻、養子縁組、分家などの身分行為を許諾する権利、祖先祭祀の権利を保障されていました。

戸主権は、家督相続によって戸主の財産とともに長男に承継されました(長男単独相続)。さらに、夫権を認めて妻を無能力者とし、法定財産関係において夫の優位を認め、子に対しては父権優位の親権制、家督相続においては男子を優先するなど男子優位の原則を確定しました。

戦後、両性の本質的な平等と個人の尊厳を基調とする日本国憲法は、第 14条に男女平等、第24条に個人の尊重を基礎とした家族を明文化し、1947年(昭和22年)の民法改正によって、戸主権が否定され家制度は廃止されました。均等相続が認められたほか、妻の無能力の廃止、子に対する夫婦の共同親権など夫婦の同権が認められました。しかし、性別分業、性別役割による家族内での男性支配は、ドメスティック・バイオレンスが現在なお存在するように、なくなったとはいえません。

(2005年9月追補)

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