家族経営協定
日本の農業経営は法人経営ではなく、家族経営が一般的です。家族経営ですから農業に従事するのは経営主(世帯主)、配偶者、祖父母等家族全員です。ですから農家の所得は一世帯当たりの年収で表示されます。しかし収入は経営主に帰属しますので、経営主と同じように働く配偶者やその他の家族には働きに見合う収入は認められていません。また農地や家屋等の資産も全て世帯主に帰属しています。厳しい家族経営を嫌って都会に出たり、勤労収入を求めて兼業農家が増え、農業の疲弊が起こりました。
1960年代初め頃から農業経営の近代化が必要であることは認識され、「親子契約」を訴える動きもありましたが、1995年に農林水産省の局長通達「家族経営協定普及推進による農業経営の近代化について」が出され、家族経営協定を結ぶ運動が本格的に始まりました。
家族経営協定とは、農業等の家族従事者の労働の価値を適正に評価し、経営上の役割分担や地位を明確にする家族内でつくられるルールのことです。労働報酬、経営方針の決定、収益の分配、労働時間・休日等について、家族で話し合って定めようというものです。
とくに農業従事の6割を担う女性の役割に見合った報酬・給与が支払われず、加えて家事・育児・介護など無償労働の9割を担っています。この家族経営協定が締結されることにより、女性の労働環境の整備、経営方針決定への参画が期待されます。
全国的な協定締結状況をみると、北海道が一番多く、第2位は福岡県。千葉県は生産高において全国第2位の農業県ですが、協定数は未だ少ないです(平成15年度家族経営協定締結数・都道府県別 平成15年3月31日現在)。
資料:
(2005年12月追補)
