男女雇用機会均等法
雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律
(「勤労婦人福祉法」1972(昭47)年7月1日公布、施行。 「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等女子労働者の福祉の増進に関する法律」1985(昭60)年6月1日改正、1986年4月1日施行。 「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律」1997(平9)年6月18日改正、1999年4月1日施行。2006(平18)年6月21日改正、2007年4月1日施行)
憲法14条が保障する法の下の男女平等を雇用の分野で具体化する法律で、労働者は性別によって差別されることなく、女性労働者は母性を尊重されつつ働くことができるという基本理念を掲げています。
【これまでの主な法改正】
◆1985年、元の「勤労婦人福祉法」は抜本的に改正されました。
「女性差別撤廃条約」批准にむけた国内法整備のために、雇用の分野でも、女性が性別により差別されることなく男性と均等な機会と待遇が得られることを目指して、「男女雇用機会均等法」(旧正式名称:雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等女子労働者の福祉の増進に関する法律)と改題し制定されました(1986年4月施行)。
このときは、募集・採用、配置・昇進の際、女性を男性と均等に取り扱う努力義務が課され、教育訓練、福利厚生、定年・解雇については女性であることを理由とした差別が禁止されました。
◆1997年、さらに大幅な改正があり、「改正男女雇用機会均等法」または「改正均等法」(正式名称:雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律)などと呼ばれました(1999年4月施行)。
このときは、(1)それまで努力義務だった募集・採用、配置・昇進も含めて差別を禁止 (2)女性のみの募集・女性優遇も原則禁止 (3)違反に対し企業名公表という制裁措置の創設 (4)調停の申請には「相手の同意」が不要になったこと (5)ポジティブ・アクションの創設 (6)セクシュアル・ハラスメントの創設、などが盛り込まれました。
なお、関連法として労働基準法の一部改正があり、「女性の深夜労働・残業や休日労働の制限(女子保護規定)」が撤廃されました。
◆2006年、いまだに職場のセクハラ被害は後を絶たず、男性に対する差別も新たな問題として浮上してきたため、今回の改正もまた大幅なものとなりました(2007年4月施行)。
男女双方に対する差別の禁止や間接差別の禁止などが不充分にせよ盛り込まれ、差別禁止が強化されました。しかしながら新自由主義経済のグローバル化のもとで「労働の女性化」といわれる非正規雇用化が男女双方で進み、とりわけ女性の就労環境は、パート労働など不安定な状況が一層深刻になっています。また、未だ根強い固定的な性別役割意識が壁となっており、法の実効性は疑問視されています。
なお、関連法として労働基準法の一部改正があり、妊産婦などの場合を除き「女性の坑内労働の禁止」が撤廃されました。
【今回の主な改正点(2006年6月改正)】
- 性別による差別禁止の範囲の拡大
- 男女双方に対する差別を禁止
これまでは女性に対する差別禁止でしたが、男性に対する差別も禁止されました。 男性も、相談・調停などの援助が利用できるようになりました。 - 禁止される差別の追加と明確化
禁止項目が追加され、降格、職種変更、正社員からパートへなどの雇用形態の変更、 退職勧奨、雇止め(労働契約を更新しないこと)についても禁止されました。また、 男女で異なる権限を与えることや、男女で業務の配分が異なる取り扱いをすること も禁止されました。 - 間接差別の禁止
合理的な理由がない場合の3つの要件「募集・採用に当たり、身長や体重、体力を 要件とする」「コース別雇用における総合職の募集・採用に当たり、転居を伴う転 勤を要件とする」「昇進にあたり、転勤経験の有無を要件とする」は、結果として一 方の性が不利となる「間接差別」にあたるとして禁止されました。 - 妊娠・出産などを理由とする解雇の無効、その他の不利益取り扱いの禁止
- セクシュアル・ハラスメント対策措置の義務化
女性から男性へのいわゆる逆セクハラも含めて、セクシュアル・ハラスメント対策の 具体的な措置を取ることが義務づけられました。この措置を取らない事業主は、企業 名公表の対象となります。これは派遣先の事業主にも適用されます。 - 母性健康管理措置の義務化
- ポジティブ・アクションの推進
- 罰則の創設
事業主が報告をしなかったり虚偽の報告をした場合には、過料(20万円以下)の罰則 が設けられました。
(追補:2007年5月)
資料:
- 「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律」(男女雇用機会均等法)
- 「雇用における男女の均等な機会と待遇の確保のために」(厚生労働省)
- 「雇用均等・両立支援・パート労働情報」(厚生労働省)
- (財)21世紀職業財団
