オンラインゲームの落とし穴
子どもが危ない!リアル・マネー・トレーディング
ゲームの新しい弊害「RMT」

ゲームの弊害というと、これまでは
「夢中になりすぎて朝から晩までゲームに釘付け、社会生活が出来ずに廃人状態」
というゲーム中毒問題、
「使用料や電話代を数十万も請求されてパニック」
という課金問題の二つのパターンが大半でした。
しかしゲーム中毒はともかく、最近ではブロードバンド環境整備が進み、無料オンラインゲームが多くなって課金問題は少なくなりました。それに代わって問題になっているのが
「リアル・マネー・トレーディング(RMT)」です。
RMTとは?

リアル・マネー・トレーディングとはオンラインゲームに使うゲームマネーやアイテム、ゲームポイントなどを現金を払って購入することです。
どうしてそんなことが起こるのでしょう?
これにはいくつかの理由があります。主なものをあげると、
1)地道に低レベルから始めるのが面倒
2)忙しい人にとっての時間の節約
3)低レベルだとゲームを楽しめないので一気に上位に行きたい
4)低レベルだと仲間はずれにされる
5)ライバルに勝ちたい
6)ぜひ手に入れたいアイテムがあるが、難しい
7)失敗して失った地位を回復したい ・・・などがあります。
でも、レベルを上げるために努力するのも、失敗を回復するのもゲームの楽しみのうちなのでは?
それをお金で解決するというのはどこか変です。
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オンラインゲームの現在
RMT問題を考える前に現在のゲームシーンを見てみましょう。個人でやるゲームも依然として多いのですが、一方でパソコンゲームだけでなく、ニンテンドーやソニーなどのゲーム専用機でもオンラインゲームがたくさん存在しています。
では
、なぜオンラインゲームなのでしょうか?その鍵は人とのコミュニケーションです。
一人でやるオフラインゲームと違って、オンラインゲームには世界中から不特定多数の人間が様々なキャラクターに扮して参加しています。RPG(ロール・プレイング・ゲーム=ゲーム内の主人公になって、
成長していく過程を楽しむゲーム)をやる場合、強力なモンスターを倒すことや難しいクエスト(ゲーム内の事件や課題)を解決することも、一人より二人、二人より、三人と組めば可能になるわけです。
チャット(会話)も出来るのでお互いのコミュニケーションを図り交流を深め、
気心のしれた仲間たちと冒険を楽しめるのがなによりの魅力なのです。
また、せいぜい数ギガバイトのオフラインゲームと違い、テラバイト級のサーバの中で展開される世界は桁違いにスケールが大きいことも見逃せません。

無料オンラインゲーム提供サイトの一つ、「RED
STONE」の表紙です。
無料オンラインゲームの多くは、このようにメールで会員登録し、専用のソフトをダウンロードしてゲームを始める形になっています。

無料オンラインゲームのランキングサイト「エムズオンラインゲーム
」表紙の一部です。
ここに見られるように現在のオンラインゲームはほとんどが無料で、たくさんの種類があり、互いに顧客の確保を競っています。
これまで課金制だったオンラインゲームが無料制に変わったのは韓国産の無料オンラインゲームの影響が大きかったのですが、RMTが広がったのはこの無料化と関係があります。
競争の激化により、ゲームサイトの収入源が「月額課金」から広告収入や「アイテム課金」へ変わってきたのです。これらのゲームは最初の段階では無料ですが、アイテムを手に入れたりレベルを上げようとすると料金を払わなければならなくなるのです。
「完全無料!」を謳(うた)っているサイトでも、魅力的なオプションを有料で用意していることが多いのです。しかしこれはRMTではありません。
過去、ほとんどのゲームサイトではRMTを禁止していました。つまり、RMTとはゲームサイトの外で行われる変則的な取り引きなのです。
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RMTサイト
RMTはゲームをリタイアした人が、それまでに集めたアイテムや稼いだゲームマネーを他人に譲ったり、 オークションに売りに出したのが始まりです。それが案外に儲かる、という話が広がると
金儲けのためにアイテムを集める人たちが増え始めました。さらに海外からRMT目当てのアクセスが増え、自動運転でアイテムを集めるだけのアクセスを行う集団まで出現しています。
こうして集められたアイテムやゲームマネーは個人的に売買されたり、専門のRMTサイトで取り引きされます。

RMT専門サイトの一つ「アイテムナビ」の一部分です。
ここでは多数のゲームサイトの公認のもとに取り引きが行われています。

協賛ゲームはメジャーから中小までそろっています。
RMTに否定的だったゲームサイト側も、アイテムの売買自体は違法でないため、効果的な防止策が見つけられませんでした。
「それならブラックマーケットに任せるのではなく、公認の市場を設けて管理しよう」
という結論になったのです。
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RMTの問題点
しかしRMTの根本的な問題点は少しも解決されていません。主なものをあげると、1)RMTで金を稼ぐためにゲームをする個人や集団が出る
2)ゲームの中の経済が混乱する、インフレが起こる
3)ゲームのムードが殺伐としたものになる
4)金持ちほどレベルが上がり、モラルが低下する
5)際限なく金をつぎ込むことが可能で、実際につぎこんでしまう
6)金儲けのための自動アクセスで回線が混雑する・・・などです
この中で親や教育者の側の問題となるのは5番の「際限ない金のつぎ込み」と1番の「RMTで金稼ぎ」でしょう。
ゲームにのめりこんで小遣いを使い果たした子どもたちが、家の金を持ち出してブラックマーケットでアイテムを手に入れる、というような事態も珍しくありません。反対にゲームのうまい子どもがあちこちのゲームサイトを荒らし回り、大金を手に入れて使いまくる、
という事態もあります。ゲームに現金がからむとギャンブル化してしまうのが実情です。
どちらも深刻な問題です。またゲームマネーを餌に不正にIDを取得しようとする業者がいて、子どもたちが無警戒にそれに応じてしまうこともあります。
これらを防ぐ方法・管理手段としては、まず
PCの使用頻度などをチェックし、十代前半の子どもには銀行口座を持たせないことです。
ID等の不正取り引きに関しては
IDが無料で取得できたりするので罪悪感が乏しいかもしれませんが、個人情報がそこから流出する場合や、犯罪の隠れ蓑に使われることもあるという危険性を教える必要があります。子ども自身が「実行犯」にならないためにも、
そういう行為は、「ゲームを楽しむこと」とはかけ離れてしまうことを認識させることが重要です。
架空世界のゲームマネーと現実社会の現金が等価になってしまうという現象は「カネ」というものの不思議さ・不気味さを象徴しています。 子どもに限らず、RMTの扱いは慎重にする必要があります。またゲームサイトも利益の確保だけでなく、もっと適切な対処をするべきでしょう。
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